「辞めようとしてるんじゃないの?」

「古谷って人と繋がってるって話、聞いたけど?」

そう切り出したのは、直属の上司・蔵田だった。

会議室で二人きり、机越しに視線を向けながら、

彼はあたかも“たまたま聞いた”ふうに、私の未来を掘りにかかってきた。

でもおかしい。

彼の言葉はどれも表層的で、古谷“本人”については一切触れない。

彼が知っているのは、黒野、石原、石川の名前だけ。

つまり、調査は甘い。

——つまり、情報はどこかから“間接的に漏れている”。

私は思った。

ああ、あの女だ、と。

河原悠。

顔に愛嬌を貼りつけ、

紹介してあげる、助けてあげる、応援してあげる——

“あげるあげる女”の仮面をかぶった、

密告者。

彼女は私を、高木との飲み会に誘い出し、

その場で秘密にしていたことを暴露した。

元上司からの声かけも、古谷との関係も——

私の口からではなく、彼女の口から社内に流れていたという事実が、あの夜、はっきりと露呈した。

彼女の真の目的?

紹介料だった。

アステラリンク社(仮名)という競合他社に在籍する、畑中という元社員と手を組み、

私や別の社員を“売る”ことで、

目先の小銭を手に入れようとしていた。

その事実に確信を持ったのは、

社長からの**「社内情報の社外流出について、重大な事実が確認された」**という通知が出た直後だった。

「現在、当社社員の一部から社外への人事情報の漏洩が疑われる事例が確認されております。意図の有無を問わず、今後調査を行い、必要な対応を取ります。」

静かに宣告された社内処分。

私は、その文面を読みながら思った。

——ついに動き出した。

誰かが、誰かを売った。

そして、それがあの女であることに、私は迷いはなかった。

河原は、表では「〇〇ちゃん、向こうの会社の方が向いてるで」と甘く囁きながら、

裏ではホットラインに“密告者”として情報を送り、

一方で、紹介料の発生する“リファラル採用”を仕掛けていた。

紹介して、稼いで、告げ口して、自分だけは安全圏。

そんな人間が「女同士、守り合わなあかんよ?」なんて笑うのだから、始末に負えない。

密告者は、いつも味方の顔をしている。

そして一番正義を語る人間が、一番静かに誰かを売るのだ。

私は、黒革の手帖を開く。

新たな名前を静かに書き加える。

河原悠——紹介料で人を売る女。

蔵田昭吾——浅い調査で人を疑う男。

高木誠——その場を取り繕いながら、何も知らないふりをしていた傍観者。

そして私は、

今日もまた誰にも気づかれない場所で、ひとつの答えを出した。

「私は沈むつもりはない。

沈むのは、最初に“穴”を開けた側だ。

※ここに出てくる登場人物は全て仮名です。あまりにリアルで、たまにDMいただくんですが、、、私の生活のほんの一部をお話ししています。

河原ですが、たったの50万円を畑中と山分けしようとしていたとのこと。本当にせこい中年女です。

今日は暑さに耐えられず、お弁当は持っていかずに外食しあ。カロリー取りすぎだけど、美味しかった。

夜ご飯も沢山食べた。

レバウェル看護

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