― 武雄温泉から池島へ、女の計算と誤算 ―
今日は仕事の有給をもらって始発の飛行機。
夜更かししていたら朝寝坊して、奇跡的に近所で見つかったタクシーに乗って羽田空港へ。
回送タクシーばかりだったけど、諦めずに手を上げ続けていたら止まってくれた!


福岡空港に到着し、急ぎの仕事をカードラウンジで片づけて一息ついてから、

午前中に壱岐島へ渡ろうとした。
だがフェリーの予約は前日で締め切りだと知り、己の準備不足を痛感する。
仕方なく能古島へ足を向けたが、そこで待っていたのは拍子抜けの現実だった。

空港から港まで40分のバス。
「せめて海鮮でも」と思ったが、飲食店はすべてお休み。
代わりに向かった能古島アイランドパークで口にしたのは、場違いなうどん。


入園料1500円の割に、放置された遊具や古びた公園が広がるだけ。
三十年前の残骸を「ノスタルジー」と売りにするには、あまりにも怠惰で無精な風景だった。
天神方面よりバスに乗ってからこの舟券売り場にスーツケースを忘れる失態をする。
寝不足は良くないな、、30分かけて戻り、鍵を刺してスーツケースを取り出す。
もはや旅の出だしから不完全燃焼なので、早めに切り上げて天神のZARAで安売り洋服を現地調達し、可愛いカフェでいちごミルク(ただ生クリームといちごジャムを重ねただけの飲み物)を食し、地元の神社でお参り。
笑った口のキツネが珍しく。


そして夕方博多駅で友人と待ち合わせ。
美味しいイタリアのお菓子をゲットして、次の日の朝ごはん、その日の夕ご飯を購入。

博多阪急の化粧室で顔を整え、新幹線かもめに乗り込む。博多から武雄まで6700円くらいした。

車窓に流れる景色の向こうに、私の苛立ちを拭うものはなかった。



夜、武雄温泉の白さぎ荘に到着する。
駅から歩いて10分。

旅館の玄関をくぐった瞬間から、すべては「演出」だと悟る。
畳の匂い、古びた布に染みついた香り、部屋に置かれたポットの湯。非常口のロープ。

もてなしという名の仮面は、財布の紐を緩ませるための仕掛けにすぎない。
それでも湯に身を沈めれば、肌は柔らぎ、心は一瞬だけ解かれる。歩いて2分の武雄温泉で体を洗う。
「癒し」という言葉は、男にとっては女の体を、女にとっては湯を指すのだろう。
雰囲気ある。


旅館は素泊まりなので、早々に寝た。
元遊郭というだけあって、真っ暗だと廊下も怖い。


旅館とは言っても80歳くらいのお祖父さんが1人でやっている。
客がいる風を、装って隣の部屋に灯りをつけてスリッパが並んで置いてあった。朝まで物音はしなかった。


朝6:00と言うのに、綺麗に手入れした池庭を見せてくれた。

遊女が顔を出していた枠窓。
ここから、かもめに乗って池島に向かった。

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