「朝青龍ちゃん」——。
そう呼ばれているその人と初めて会ったのは、いつものギャンブル場ではなく、臨時で派遣された飲食店でのことだった。
開口一番、自己紹介の代わりに放たれた言葉。
「私こう見えても、サブチーフなんです!」
その瞬間、私は悟った。
彼女の世界では、“立場”が人間の値札なのだと。
誰もやりたがらないサブチーフに自信を持っている変わり者。
身長149センチ。
制服は豊満な身体を押し込めるように悲鳴をあげ、ボタンがいつ外れてもおかしくない。
地黒の肌、すっぴんの顔、一重の目に残る傷跡。
明るい茶髪がその強烈な存在をさらに際立たせていた。
彼女の声は、ちびまる子ちゃんの世界から抜け出してきたような甲高さ。
けれど、愛嬌ではなく威圧を孕んでいる。
その日、私は80代の男性にインターネットでのギャンブル登録方法を教えていた。
老眼鏡の向こうで、震える指がタブレットの画面を探る。
そこへ——彼女が割り込んできた。
「何がやりたいの!」
「もしかして〇〇しようとしてる?」
「お客さんに操作させてよ!」
静まり返った空間に、あの甲高い声が突き刺さる。
私も老人も、一瞬、動きを止めた。
彼女の指導は、いつも“支配”の形をしている。
まるで相手の存在そのものを押しつぶすように。
接客が終わっても、説教は続いた。
「お客さんが何も言わなくても、0から100まで説明してあげないと! 後から困るのはお客さんでしょ? 親切にしてあげてよ!」
私は微笑みながら言った。
「80歳のお客さんが全部理解できるとは思いません。」
その瞬間、彼女の顔が一瞬だけ引きつった。
“言い返される”ことに慣れていない人間の表情。
おっとりしているように見える私が、反論するとは思わなかったのだろう。
彼女は、声を張り上げることでしか自分を保てない。
だからこそ、いつも大きな声で、肩書きを振りかざす。
小さな身体で、世界を支配しているつもりで。
けれど私は知っている。
その制服が、もう限界だということを。
そのボタンが外れる前に、彼女の“自尊心”の糸が切れる日も、そう遠くはない。
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今日のおやつは、この時期には必ず食べる大好物のアイス♡
なくならないうちに、できれば大人買いしたい!

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